父の初七日とデジタル上映

日本公開が延期となっていた『父の初七日』が3月3日に公開された。
台湾・彰化県のある町を舞台に急死した父親の葬儀までの七日間、娘と息子に起きる出来事を描いた物語。
ユーモアやペーソスを用いて笑える場面もあるが、描かれているのは身内の死と喪失感。巧いラストシーンには涙が出た。台湾映画らしい、懐かしさを感じるような作品でした。

公開されたのは嬉しいのですが、ひとつ残念な事がありました。
メイン館である東京都写真美術館ホールがブルーレイによるデジタル上映だったのです。
冒頭の救急車の回転灯の青紫のランプがまるでオプチカル合成のように画面にべったりと乗り、草花などの自然物は粗めな画でいまひとつの画質。音もサラウンド感が感じられません。
今後、デジタル上映が主流になるのは時代の流れで仕方ありませんが、公式HPと東京都写真美術館のHPには「デジタル上映」とはどこにも表示されておらず、トップページにポスターとチラシ、新聞広告同様に「ビスタ/35mm」と表示があるのは如何なものでしょうか。てっきり35mmプリント(フィルム)による上映だと思って写真美術館で鑑賞したのですが、館内にも「デジタル上映」の案内はなく、上映開始されてから初めてデジタル上映と気がついた次第。鑑賞後に係員に訪ねたところ「ポスターやチラシに35mmと書いてあるのは撮影時の事です」という回答。
もし最初からデジタル上映と分かっていたら、プリント上映をしている銀座の劇場に観に行っていたと思う。本作に限らずこういうことがあるので配給会社は上映館の上映方式をきちんとアナウンスしてもらいたい。

それから、場内で販売されていたオールカラーのパンフレットは台湾エキスパートの方々が執筆、監督の撮影ノートや原作を収録するなど、内容が濃くて素晴らしいものですが、こちらもひとつ残念なところがありました。それはキャストのプロフィール紹介が緩いことです。
例えば、父親役の太保(タイ・バオ)の日本公開作『運転手の恋』が『運転手之恋(原題)』と未公開扱いになっていたり、ビデオ発売された『漆黒<ノワール>』が『公僕(原題)』と記載されていたり、道士役の吳朋奉(ウー・ポンファン)の出演作がまったく記載されていないなど。吳朋奉は端役といえども『ダブル・ビジョン』『シルク』『深海』『海角七号』が公開されているし、日本でも放送された秀作ドラマ『あの日を乗り越えて』で主人公の叔父役を印象的に演じたりしているので、もう少し丁寧に紹介してほしかった。
いまはネットで簡単に調べることが出来るだけに、プロフィールといえども手を抜いてほしくない。

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